(続)海の音

雑念のメモ

何が言いたいのか分からないただの更年期

人間25歳がピークだなんて誰が決めた訳でもなくただ漠然と自分で勝手に思っているだけなのだけど、何の根拠もなく思っているというよりは自分が25歳を過ぎた辺りから新しいことをするのを諦めたり無理に嫌いな人とコミュニケーションを取るのを辞めたり、まあ消極的というかガッツと呼ぶならそういうのが減っている気がし始めて、身体的にも精神的にも人生の終焉に向かっているのかもしれないと薄々自覚し始めた。いやいやそんなの気のせいだ気力次第だとそれなりに生きてきたのであるが、それが30歳過ぎた時点でいよいよはっきり感じるようになり、以降あらゆる物に対するモチベーションは数学の教科書で見たような上に凸の二次関数が最大値を過ぎてどんどんゼロ否マイナス領域にまで急降下するように勢いよく失われている。何故か分からないけど。というのはごく個人的な問題であって一般論ではない。25過ぎても30過ぎても50過ぎてもあぁ魅力的だと思う人は勿論いて、そういう素敵な人を見る度に愚痴愚痴ぼやいている場合ではないと奮起し格好良くて可愛くて美しい彼ら彼女らに少しでも近づきたいと思って、まずは内面からだと何事にも大らかになろう人に対してはとにかく優しく穏やかになろうと努め、外見でも増えていくシミや皺を野放しにする訳にはいかんとカウンターのお姉さんに何かお悩みのことはございますかと問われれば人生相談所かというくらい前のめりで悩みを打ち明け待ってましたとばかりにお姉さんに勧められた基礎化粧品を購入、大丈夫ほらいい感じみたいな生き方を演じようとするのだけどやればやるほど運動音痴が無理して逆立ちしてるみたいになり、本来の自分と乖離してるからふとした瞬間転けてズル剥けになり阿呆な面がぽろぽろ人前で出てきてしまいその度に哀しくて恥ずかしい。結局薬局、丁寧な暮らし白っぽい服高い箒手作り市常備菜無垢の床くそ喰らえって全部纏めて丸めて壁に投げつけてファミチキを齧って発砲酒を飲んでソファに転がっている始末。仕事も家事もうまくこなせなくて、人ともうまく話せなくて、世代なのか何なのかネットSNS至上主義の速度にも全然着いて行けなくて、気が付いたらどこにも居場所を見つけられずに溺れていて、一層のことちょっとやそっとじゃ帰って来れない場所、言語も価値観も全く通じないどこか遠くの世界へ行ってしまいたいと思う。それって別に今に始まったことでなく、物心付いた時からずっと同じようなこと考えていたから何も変わってないのだなぁと我ながら愕然とする。そんな世界どこにあるのか果たして分からないけど近所の公園の遊具に誰かがでかでかと書いた「神」という落書きを見る度に何故か少し救われていてちゃんと残っているか無意識に確認していた。その落書きは今日見たら綺麗にペンキで上塗りされてなくなっていた。代わりに喧嘩上等という文字が何たら中学何年何たらという署名入りで落書きされていた。私はまた週末ごとに喧嘩上等がちゃんとあるか確認しに行くのだろう。それが果たして救いになるのか分からないけど。