(続)海の音

雑念のメモ

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元々吐きそうなぐらい嫌いな自分の顔と身体が老いという避けられぬ要因により更に醜くなっていく様を鏡で確認する度に外に出たくなくなり誰にも会いたくなくなる。縋るような思いで夜中に全然知らない可愛い女の子の自撮りや友達と過ごす様子をネットで漁って何時間も見ている。ああ可愛い可愛い。救われるー。そうやってると朝が来る。楳図かずおの『洗礼』みたいで我ながら怖い。今日も朝から身体が不調で動けなくて、でもあの人はしんどくても頑張ってるし息子はどこからか薬探してきてだいじょうぶだからねって言ってくれる。好きなブランドの秋冬が立ち上がって一目惚れしたあの洋服の表面に施された鮮やかな刺繍を今日はそっと触れに行きたかったけど着替えて化粧してオムツやら何やらでっかい鞄に詰めて電車に乗って街に出てって考えたら何かもう全部無理になってとにかく近所の公園行こう。公園で息子とおにぎり食べよう。こんな醜い顔で似合わないかもしれないけど馬鹿高いあの洋服に触れに行きたい。着るだけでその人のスイッチが入るような服を作りたいって言っていた人が泣きながら作ったその服が好きだから。下書きに入れたまま何となく公開できないでいる日記がどんどん溜まっていく。一番好きな季節がすぐそこにいるのを感じる。